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SNSで年商954億円!銀座に殴り込んだ“元とんかつ屋”の正体とは?

SNSで年商954億円!銀座に殴り込んだ“元とんかつ屋”の正体とは?

「この社長、絶対に裏がある」——そう思った人、あなたは正しい。しかし、その“裏”は、信頼と合理主義でできていた。高級時計業界の“不文律”を次々にぶち壊し、SNSで買取価格も売値も全部バラして炎上。そして、それをきっかけに爆売れ。2021年に立ち上げた陽吉(はるよし)グループは、わずか3年で年商954億円を達成。2025年には銀座に実店舗をオープン。とんかつ屋から始まり、除菌・Wi-Fi販売を経て、“たった2万円の利益”を積み重ねた男、吉山亨社長。その“異端すぎるビジネス”の裏側に迫る。

SNS戦略と価格公開で古物業界の常識を覆す

「陽吉Store 銀座店」の商品ディスプレイ
2025年2月にオープンした「陽吉Store 銀座店」の商品ディスプレイ

――わずか3年で年商954億円まで事業を急成長させ、2025年2月には、東京・銀座に初の実店舗をオープンさせました。その経営手腕が注目されていますが、成長のカギとしてSNSをかなり積極的に活用されていますね。

吉山:はい。InstagramやTikTok、YouTube、Xなど、自社で全て運用しています。広告費を削減できた分、お客様への買取価格に還元できる点が大きかったですね。それによって、お客様からの信頼も得られ、リピートしてくださる方が増えたり、口コミが広がったりしました。

――時計業界というと、昔ながらのビジネス慣習が強そうな印象です。参入時の苦労はありましたか?

吉山:かなりありました。古物業界は不透明で、仕入れ価格も売値も公開されないのが当たり前。でも僕らは「透明性が信頼につながる」と考えて、買値や売値も公開しました。最初は「そんなことするな」と業界から叩かれましたが、SNS上ではその姿勢が評価されてお客様が増えていったんです。

――他社が真似してきても、揺るがない自信はどこにありますか?

吉山:体力ですね。それと、会社を長く続けるという強い哲学です。僕たちは薄利でやっているので、例えば508万円で買って510万円で売る。たった2万円の利益でも、年間954億円の規模でやると成り立つんです。新規参入者がこのスケールで運営するのは簡単ではないと思います。

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ゆるいビジネスメディアbizSPA! 古物業界の異端児! 陽吉の社長に色々聞いてみた #bizSPA #インタビュー #社長 #社長シリーズ @haruyoshi_official

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ビジネスのスタートは除菌関連やWi-Fiだった

陽吉グループ吉山亨代表取締役インタビューカット
陽吉グループ代表取締役・吉山亨氏

――そもそも会社設立のきっかけは何だったのでしょうか?

吉山:特別なきっかけがあったわけではないんです。ただ、「会社を経営してみたい」という思いが出発点でした。社名の「陽吉グループ」の“陽”は妻と子どもたちの名前から、“吉”は自分の名字“吉山”から取っています。「グループ」というのは、当初からグループ会社を持ちたいという願望を込めて付けました。

――最初から高級腕時計を扱うつもりだったのでしょうか?

吉山:いえ、最初は除菌関連やWi-Fiの販売事業をやっていました。ある日、友人が時計屋を自分でやってみたいと言い出したんです。「じゃあ、うちの会社を使っていいよ」という感じで始まったのが時計事業でした。最初は副業的に始めて、気づけば主力事業になっていました。

真似されても揺るがない“哲学”

――社長が大切にしている経営哲学を教えてください。

吉山:社員が誇りを持てる会社にしたい。それが一番です。そして「正義感」。儲けすぎて社員が後ろめたく感じるような商売はしたくないです。社員に「この会社で働いていてよかった」と思ってもらえるように、倫理観と合理性を両立させたいと思っています。

――かなりのハードワークをされているようですが、気分転換の方法はありますか?

吉山:夜に楽しい予定を入れるようにしています。たとえばトレーニングや飲み会です。1日中働いていても、夜に楽しい時間があると「今日はもうオフだな」と思えます。実は記憶力が乏しいので、嫌なこともすぐ忘れられるんです(笑)。

次の狙いは海外進出!高級ブランド市場でのさらなる挑戦

「陽吉Store 銀座店」の店内
「陽吉Store 銀座店」の店内

――今後の展望について教えてください。

吉山:2030年までに15店舗、売上2,000億円が目標です。先日銀座に1店舗出店しましたが、まずは銀座の並木通りや中央通りに一流店と並ぶ店舗を構えたいですね。海外にも展開を視野に入れていて、香港を拠点にアメリカ市場へ進出する構想もあります。

――新たに挑戦したい分野はありますか?

吉山:基本は「古物一筋」です。時計を中心に、エルメスのバッグなど高級品に特化して広げていきたいと考えています。将来的にはシャネルやクロムハーツ、さらにはグッチやルイ・ヴィトン、サンローラン、セリーヌ、プラダなどにも展開していきたいです。

――最後に、起業を目指す若者へのメッセージをお願いします。

吉山:気持ちさえあれば、必ず成功します。アイデアよりも、やりきる力が大事です。年齢に関係なく、続けることで見える世界があると思います。

――ありがとうございました!

業界の“当たり前”を打ち破るその姿勢に、今後も注目が集まりそうな吉山社長。SNS時代の戦略と経営哲学を武器に、吉山氏の挑戦は続いていくのだろう。

陽吉・吉川社長おすすめ!ビジネスマンが買うべき腕時計TOP3
Q. 今もっとも欲しい時計は?
A. 6002R(パテック フィリップ)っていう6億円くらいする時計です

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